妊婦(妊娠中)は便秘になりやすいのはなぜ?
妊娠中は便秘になりやすいといわれます。
ホルモンの関係で女性は男性に比べて便秘を発症しやすいのですが、女性では、排卵が
終わると黄体ホルモンの影響によって、便秘しやすくなります。
特に妊娠すると黄体ホルモンの働きはますます高まり、こうした状態は、妊娠4カ月に入る
ころ(つわりの終わるころ)まで続きます。
したがってこの期間中は、非常に便秘になりやすくなります。
また、この時期は、つわりのために十分な食事ができなくなるため、便の量も減り、ますま
す便秘がちになります。
この時期が過ぎると、黄体ホルモンの影響は少なくなるため、お通じはつきやすくなり、
かつ、つわりもおさまり、食欲も進み、便の量も増えてくるため、便通にとってはよい条件
が揃います。
しかし、妊娠6カ月あたりから、急激に大きくなった子宮に腸が圧迫されて、再び便秘が発
症しやすくなります。
また、血管も圧迫されるために、下半身に血液のうっ滞が起こり、これが、痔核を誘発した
り悪化させたりして脱肛を起こすことも少なくありません。
痔は排便の際に痛みを伴い、自然と排便を控えるようになり、これが便秘を助長することに
なるのです。
★妊娠中の便秘予防と対策
この時期の便秘の予防には適度な運動、食物繊維の適量摂取(食事療法)、生活習慣
の改善(排便リズムの改善)などが大切です。
1)適度な運動
適度な運動は便秘に有効であるだけでなく、妊娠経過全般に好ましい影響を及ぼします。
散歩や妊婦体操(水泳、マタニティービクスなど)は便秘対策としても有効です。
2)食物繊維の適量摂取
食物繊維の多い植物性食品は大腸を物理的に刺激できるために、便秘対策には有効です。
(食物繊維の多い食品)
豆類、葉菜類、根菜類、きのこ類、海草類など。
ごぼう、れんこん、たけのこ、サツマイモ、ふき、セロリ、きゅうり、しいたけ、こんにゃくなどが
あげられます。
魚類では、たこ、いか、貝類なども有効でしょう。
起床直後の早朝空腹時に、冷たい水、冷たい果汁、冷たい牛乳を飲むことも、便秘対策と
して有効であることが知られています。
これは胃の中にこのような冷たい飲料が入ると胃大腸反射が起こり、反射的に横行結腸以
下の大腸の蠕動運動が亢進し排便が促進されます。
3) 生活習慣の改善
規則正しい生活をおくることが重要で、便意がなくても毎日一定の時間にトイレに行く習慣
をつけることが大切です。
特に朝食後の最も排便しやすい時にトイレに行く習慣をつけることが大切です。
★妊娠中の便秘の薬物療法
下剤にはその薬理作用が強く、比較的短時間後(2〜6時間後)に効果が発揮される
峻下剤と緩やかに作用し8〜12時間後に効果のある緩下剤があります。
峻下剤(ヒマシ油やアロエ、大黄末)は子宮収縮をきたし流産、早産の原因になり得るので、
妊娠中は使用しない方がよいでしょう。
妊娠中使用可能な緩下剤
下剤を使うなら、まず、体に害のない膨脹性下剤を使いましょう。
次いで、マグネシウム塩やセンナなどが広く利用されています。
センナエキス(アジャストA、ヨーデルS)
センノシド(プルセニド、センノサイドなど多数)
ピコスルファートナトリウム(ラキソベロンなど多数)
配合剤(アローゼン、ソルベンSなど)などは妊娠中であっても使用可能です。
またレシカルボン座薬、テレミンソフトなどの座薬も使用可能です。
(注;実際の使用にあたっては、薬局や医師に相談しながら行ってください)
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