”食塩”の犠牲になった「ヨード」 〜「ミネラルの知られざる世界(22)」

甲状腺ホルモン、チロキシンの原料として必要な「ヨード」は、食生活上の変化の犠牲となったミネラルである。


粗製塩ともよぱれた天日製塩法による食塩はヨードをふくんでいた。ところが現在の食塩はイオン製塩法による純粋な塩化ナトリウムであって、ヨードをふくまない。ヨードの欠乏は甲状腺をおかし、いわゆるパセドー氏病となる。


米国、ドイツなどでは、イオン塩にヨードを添加した食塩が市販されているがわが国では、海産物からヨードがとれるという期待から、この労をはぷいている。それにしても、われわれの食習慣上、大豆、豆腐など、ヨードの吸収を阻害する食品が日常的に使われている点に、問題がある。大豆や豆腐をコンブといっしょにして煮る習慣は、昔の人の知恵といえる。


なお、ヨードの吸収を阻害する物質としては、このほかに、タマネギ、キャベツ、ピーナッツなどがある。甲状腺の障害は、精神活動の障害につながる。風邪をひいたとき、のどがはれるのは、甲状腺障害の兆候であるという。



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